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非定型鬱(うつ)病は詐病なんかじゃないぞ(゚Д゚)ゴルァ!!!!!
なんでもかんでも「SSRI現象」にすなっ!!
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まずは緑でも見て心を落ち着けてお読み下さい(笑)

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 精神科へ通い出して結構体調が良くなり、ホロホロとお出かけした時の事でございます。本屋で立ち読みしていてある本を見つけ(タイトルは伏せますが某女の本(笑)ではありません)、思わず「てめーのせいか(゚Д゚)ゴルァ!!」と(心の中で)叫んじゃいました。私のサイトに来たメンタルメシア様が書いてたことはこれか!! んでもって、初診の時の新米の女医のなーんか小馬鹿にしたような対応の原因はこれかぁ!! で、本は買わず(←オイ!)家でレビューを検索してみたら・・・なんとこんなとんでも本がほぼ絶賛されているじゃぁありませんか(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー!! こりゃ書かなきゃなるまい。このまま放置はしておけません!!
1.患者でもない人間が書いてはいけないことがある
@推理小説のように面白く書かれちゃかなわない
 まずはこの本のレビューの一部ををいくつかご紹介しますね。
・前半は「なぜうつ病の人が増えたのか」という問いの「謎解き」という構成をとっているため、まるで推理小説を読んでいるかのようにグングン惹き込まれてしまった。うつ病そのものについての解説はほとんどないため、うつ病(特に、軽症うつ病)に関する一般書と併読するのが良いだろうと思う。
・欧米諸国で昨今ホットトピックとなっている「Disease Mongering」問題(製薬会社が売り上げを伸ばすために、病気の危険性や薬の効果を大袈裟に喧伝すること)を取り上げた、どちらかと言えば社会科学寄りの本。「個々の患者がうつ病になったのは何故か」というマイクロな視点からではなく、「社会にうつ病患者が蔓延するようになったのは何故か」というマクロな視点から書かれている。
 レビューから分かるように、この本は鬱病について研究した本ではありません。「SSRIが認可された時を境にうつ病患者が急増した」という設定で、製薬会社批判を混じえながら、謎解きしていく本です。興味を惹く内容で面白いようですが・・・あおりを喰らう「非定型(新型・軽症)鬱病」の患者はたまったものではありません。
@患者は製薬会社に騙されたまぬけ?!
 筆者にそういう意図はないのでしょうが(というかそう信じたい…)、この本の主旨は間接的に患者は「製薬会社に騙されたまぬけな健康な人」だと決めつけられてしまう内容です。読者がそれを信じ込み、うつ病が増えたのは製薬会社のせいで、現在精神科に「非定型(新型・軽症)鬱病」で通院している人はみんな騙されているバカな被害者だと思ってしまうのも大問題です。レビューにはこの本の実害の大きさが如実に表れていますね。
@治療できるようになったから精神科で扱うようになっただけなのに
 私のように自殺念慮がなく「頭痛」「倦怠感」などが主症状な患者は、今までは「自律神経失調症」「不定愁訴」など別の診断を受けていました。けれど有効な薬が登場したことで精神科で「非定型(新型・軽症)鬱病」としてお薬がもらえるようになり、その結果うつ病患者が増加したというのが実態です。陰謀でも何でもありませんし、患者が騙されているわけでもありません。
@別に「新型」じゃないし
 以前から私のような症状でも、知識のある精神科医は「鬱病」として治療してくれていました。30年程前の話になってしまいますが、同じ症状で苦しんでいる方と友達になり、その方は「名医」と評判のお医者様に「鬱病」と診断されお薬をいただいていました。でも友人は、その薬はとても良く効いていたのに「私は鬱病じゃない〜!」と怒ってちゃんと通院していませんでした。これは「鬱病」のパターン化されたイメージが診断・治療を阻んでいた事の分かり易い実例ですね。
@作者の頭の中で考えた「患者」を書いてはいけない
 筆者は精神科に勤務していた事もあるようですが、現在は某社健康保険組合東京健康管理センターメンタルヘルス科部長の任に就いている方のようです。この本に限ったことではありませんが、臨床の場の人間が、患者の立場からのようにものを言うのは、決してしてはいけないことです。なぜならそれはあくまで医者の頭の中で補完された「患者」の言葉であるからです。患者の多くは主治医であってもなにがしかのプレッシャーを感じ、なかなか正確に自分の症状や考えを上手に「医者」に伝えられません。患者の本音を聞き出せるお医者様は、それだけで名医だと言えるでしょう。筆者が「非定型(新型・軽症)鬱病」患者が騙されていると感じたなら、多くの患者さんの取材をまずして下さい。もちろん患者がプレッシャーを感じる「医者」という立場から離れた、中立・公平な立ち位置で。また質問によって刷り込みを起こさないように注意深く取材して患者の本音を聞いて下さい。
 私の大好きなドクターハウス先生(笑)も言っていますが「医者は患者の訴えの前では謙虚でなくてはいけない」のですが、残念な事に医療現場では患者の主張は逆に無視されがちです。まして筆者のようにすでに臨床の場にさえいない方は、慎重の上にも慎重に検証・取材した上で発言して欲しいと思います。
2.「気分を害する」程度の問題では済まない状況になっています
@「伝える必要はない」私見を出版するな!
 次はこの本の末文からの引用です。
『SSRI発売後、日本全体でうつ病患者が急増した』と説明されても、気分を害す患者の方が多いのではないかと思う。うつ病で苦しんでいるのに、大局的な一般論を説明されると、不快に感じる人もいると思う。正直に言うと第1章から第3章までの内容に関しては、家族から患者に積極的に伝える必要はないのではないかと思う。
 一読すると謙虚で配慮のあるような文章ではありますが、自分の意見は「大局的な」視点であるという物言いは傲岸そのもの。上から目線どころか、鬱病にまつわる全体の局面や事情を見極める大物の目線で書いていると言い放っているのですから、ずいぶん抜け作な釈明文ですね。こういう考えの至らなさがとても迷惑な結果を生んでいます。誤解のない内容の本を書いて下さい。事態は「気分を害する」程度の問題では済まない状況になっています。
@薬の効果が気のせいとはとんでもないウソ
 手元に本がないので他の方の書評からの転載ですが、この本には「軽症うつの場合、抗うつ薬とブラセボ(偽薬)の差はほとんどない。軽いうつ病まで抗うつ薬による治療を勧めることはおかしい」とも書いてあるそうですが、筆者はなんの根拠があってこんな事を書いたのでしょうか。患者の私が言うのだから間違いありません。SSRIは「非定型(新型・軽症)鬱病」にとても良く効きます! でたらめを書かないでもらいたいものですね。
@バカにされる「非定型(新型・軽症)鬱病」患者
 実際に被害が出ています。私も寝たきりになるような状況は脱しているので、軽症だとは思いつつ、辛さを何とかしたいと病院へ行った時、初診問診のとき若い女医から「また来たよ、鬱病なりたがり!」みたいな対応を受け、とても不愉快な思いをさせられ涙しました。しかも「だるいのは太ってるからじゃないの?」との暴言まで浴びせられました。酷い話ですが、これは私だけの経験ではないと思います。このように辛い思いをしている患者さん達を、さらに追い込む事態を生んだ筆者の責任は重大です!

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